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<植民地>


植民地

 19世紀後半より20世初頭にかけて列強の帝国主義は競争が激化します。1871年統一し、近代国家の形を固めたドイツですが、イギリス、フランスに比し海外領土の獲得は遅れていました。人口の増加、ドイツ製品の販路という問題で植民地争奪競争に参加することになります。これらのドイツ領土も第一次大戦の敗戦により失うことになるのですが。
植民地では当初ドイツ本国切手をそのまま使用していました。ついで、本国の切手に各地域の名称あるいは現地の貨幣単位を加刷していましたが新世紀を迎え植民地専用の統一図案切手を発行しました。

カイザー・ヨットシリーズ

 切手のデザインはドイツ皇帝のカイザーヨットと称する軍艦です。基本は高額面用とあわせて2種で植民地名と額面を印刷してあります。リーフに貼ると見栄えがすばらしいシリーズですが、ゲルマニアシリーズに比し完集は結構難しいかも知れません。未使用はともかく使用済みで集めることは、今では切手商でいわゆる貼り込み帖が姿を消していますし、困難が伴ないます。しかし、それだけに集めがいがあると言えるでしょう。



アフリカ
アフリカにおけるドイツの植民地

東アフリカ Deutsch-Ostafrika
1890年10月4日ダル・エス・サラームにて開局
使用期間 1901-
シリーズ28種
南西アフリカ Deutsch-Sudwestafrika

使用期間 1900-1914
シリーズ22種
カメルーン Kamerun

使用期間 1900-1916
シリーズ19種
このシリーズにはイギリスによる占領加刷13種がある。
トーゴ Togo

使用期間 1900-1914
シリーズ17種
イギリスによる占領加刷21種、フランス占領加刷19種がある。

膠州湾
中国でのドイツ租借地の位置を示す 膠州湾の詳細図

膠州湾(こうしゅうわん)Kiautschou Kiaochow
中国山東半島のドイツ租借地 使用期間1901-1914 37種
1897年11月14日に租借地になる。1898年1月26日青島(チンタオ)にて開局。1914年11月7日日本軍が占領


南太平洋諸島
ドイツの植民地の島々

サモア Samoa
使用期間 1900-1914 シリーズ17種
ウボル島とその諸島は1900年9月21日、サバイー島は6月8日に占領。郵便は1886年9月21日にアピアで開局していた。第一次大戦開始後の1914年8月29日ニュージランド軍が占領。イギリス占領加刷が13種存在
マーシャル諸島 Marshall-Inseln
使用期間 1900-1914 シリーズ15種
1885年10月15日に占領、1888年10月1日Jaluitで開局。イギリス占領加刷が13種存在
ドイツ・ニューギニア Deutsch-Neuguinea
使用期間 1900-1914
シリーズ18種
1888年2月15日Finschhafenにて開局、1897年より本国切手への加刷切手の発行。1914年オーストラリア・ニュージランド軍が占領。イギリスによる占領加刷16種がある
マリアナ諸島 Marianen
使用期間 1900-1914 シリーズ15種
1899年11月18日ドイツ領となる。開局と同時に本国切手への加刷切手が供給される。1914年10月14日日本軍が占領。
カロリン諸島 Karolinen
使用期間 1900-1914 シリーズ16種
1899年10月12日ドイツ領となる。開局と同時に本国切手への加刷切手が供給される。1914年10月日本軍が占領。

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