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普通切手・戦後編



普通切手・戦後編

1962−70


建築物シリーズ(小型)


Deutche Bauwerke aus zwölf Jahrhunderten(I)

1964年から建物シリーズが始まりました。低額3種10pf、15pf、20pfは凸版で、残り5種は凹版で発行され、10pfを除く全額面にコイルがあります。図案はドイツにある有名な建築物です。

東西ドイツに分離後西ドイツ地域でなく、東ドイツ地域にある建築物(10pf、60pf)もシリーズに含まれています。これらの切手を貼って旧ソ連地区へ送られた郵便は配達拒否ないし差出人へ返送されました。






10pfツヴィンガー宮殿 (ドレスデン) Dresden
15pfテーゲル館 (ベルリン) Berlin
20pfミヒャエルス礼拝堂 (ロルシュ) Lorsch
40pfトリフェルス要塞 (プファルツ) Pfalz
50pf城門 (エルヴァンゲン) Ellwangen
60pfトレプトウ門 (ノイブランデンブルク) Neubrandenburg
70pfオストホーフェン門 (ゼースト) Soest
80pfエリンガー門 (ヴァイセンブルク) Weissenburg


建築物シリーズ(大型)


Deutche Bauwerke aus zwölf Jahrhunderten(II)

1966年から小型の建物シリーズより切手のサイズが少し大きくしたやはり中世の建物を題材したシリーズが発行されます。すべて凹版で揃ったスタイルは以後ハイネマン大統領シリーズ、産業・技術シリーズ、現行の女性シリーズと続きます。

このシリーズに描かれた中世のドイツ建築は第二次大戦後東ドイツ領(10pf、60pf、1DM)、ソ連領(90pf)、ポーランド領(5pf、2DM)に所在が変わったものも含まれています。これらの切手を貼ったソ連宛、ポーランド宛の郵便物は宛先の国で配達拒否や差出人に戻されました。15種(14図案)の内西ドイツ領の外にある建物は6種です。下表で建物名の後に波蘭(ポーランド)、東独、ソ連と示してあります

これは戦後の複雑な時代背景が作用しました。ドイツの東の国境はオーデル・ナイセ川以西となりました。しかし、この国境は暫定的なものでポーランド西部国境はドイツ・ポーランドの平和条約で決定されると連合軍に認識されていました。
ポーランドとしてはソ連に切りとられた東部領土の代替としてのオーデル・ナイセ川以東の領土を恒久なものと認識し既定とすることをソ連の圧力を背景に画策し、国境問題は神経質になっていました。ソ連圏に入った東ドイツは別として西ドイツは1952年英米仏のドイツ条約でドイツ全体の国境は平和条約で画定されるという条項を堅持し、オーデル・ナイセが国境とは認めていませんでした。
1960年代は西ドイツは著しい復興を遂げ、一方東側ではベルリンの壁が構築されるなど格差は広がっていました。国境に不確定要素を含んだ米ソ冷戦の中での「オーデル・ナイセを認めたわけではない」というドイツのプロパンダと揺さぶりであったのかもしれません。
オーデル・ナイセを認めたのはドイツの再統一が見えた1990年のことです。
















5pfベルリン門 (シュテッティン)     波蘭 Stettin
10pfツヴィンガー宮殿 (ドレスデン)    東独 Dresden
20pfミヒャエルス礼拝堂 (ロルシュ) Lorsch
30pf北門 (フレンスブルク) Flensburg
40pfトリフェルス要塞 (プファルツ) Pfalz
50pf城門 (エルヴァンゲン) Ellwangen
60pfトレプトウ門 (ノイブランデンブルク) 東独 Neubrandenburg
70pfオストホーフェン門 (ゼースト) Soest
80pfエリンガー門 (ヴァイセンブルク) Weissenburg
90pf女子修道院 (ケーニヒスベルク)    ソ連 Königsberg
1DMメランヒトンハウス (ヴィッテンベルク) 東独 Wittenberg
1.10DMトリニティ病院 (ヒルデハイム) Hildesheim
1.30DMテーゲル館 (ベルリン) Berlin
2DM市庁舎内ホール (レーヴェンベルク)  波蘭 Löwenberg

ブランデング門シリーズ


Brandenburger Tor.

発行 1966-67年

このシリーズはコイル形式で発行されたが郵趣家向けの100面シート、10pf、20pf、30pfに切手帳があります。このシリーズ以後小型普通切手は原則として凸版印刷、コイル形式で発行されます。 これらの切手を貼ったソ連宛の郵便物はソ連側でやはり配達拒否、差出人戻しが行われました。



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