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普通切手・戦後編



普通切手・戦後編

1986−2004

今年2005年よりドイツ郵政は普通切手において新シリーズを発行しました。女性シリーズ、名所シリーズに代わる「花シリース」が始まりました。このページで20年にも及ぶ長期にわたって使われた女性シリーズ、名所シリーズを総括します。



ドイツ史上の女性たちシリーズ

名所シリーズ

 1986年から2004年の約20年間にわたって凹版中型の女性シリーズ(ドイツ史上の女性たち)と凸版小型コイル形式の名所シリーズが発行されました。技術・工業、城の各シリーズに代わるものでした。1990年東西ドイツが再統一、2002年ヨーロッパ共通通貨ユーロ流通などドイツをめぐる環境の変化はこのシリーズに反映し、国名表示、額面表示面で切手のデザインに変化が生じさせています。20年にもおよぶ長期シリーズで統一デザインを維持しながらも歴史の流れを具現する魅力的な切手群となりました。

 なお再統一までの西ベルリン切手にはBerlinの文字を印面に表記した女性シリーズ、名所シリーズがそれぞれ17種、15種存在します。
女性シリーズ、名所シリーズのデザインと由来説明、人物紹介は「ドイツ切手・歴史・文化」編をご覧下さい。

1986-95年

 ドイツでは再統一後女性シリーズ、名所シリーズが旧東ドイツに流通します。一方東西ドイツで別々に振っていた郵便番号も全ドイツで振り分けなおし、新しい消印が準備されます。その間旧東ドイツ地域では消印の継続使用され、1993年7月1日より5桁の郵便番号の消印が登場します。そのため1991年頃から93年までの約2年間旧東ドイツの消印が女性シリーズ、名所シリーズに押され、再統一の経過を物語るマテリアルとして賑わいます。
これについては東ドイツの項で詳細を紹介する予定です。

女性シリーズは種類的にはこの年代に多く発行されており、再統一で新しいシリーズと切り替わるのではないかの噂があったのですが、名所シリーズと同様に2004年まで発行が継続した人気シリーズとなりました。



1995-2000年 国名表示Deutschlandへ

 1995年5月5日「ヨーロッパ切手」から国名表示がDeutsche BundespostよりDeutschlandになりました。「ヨーロッパ切手」は第二次大戦終了50年に因むテーマでヨーロッパ各国でも発行されました。本当の意味でも戦後が終了しました。統一ドイツの出現が周辺国へ脅威を与えるという無用な刺激を避ける意味でドイツ統一国名を名乗ることに慎重に待っていたのです。

Deutschland表記は1995年に始まるドイツ郵政民営化と無関係ではないかも知れません。
(註1;実際にはこの1ヶ月前の1995年4月6日発行「帝国都市レーゲンスブルク750年」記念切手にDeutchland表示が現われています。)




2001年 マルク、ユーロ併記

 2002年1月1日の時点で、ユーロは全てのユーロ参加国の法定通貨となりました。かつて「宿敵」同士であった独仏が怨念を超え共に欧州統一の理念を継ぎ、多くの障害を乗り越え独仏主導で欧州連合(EU)を発展させ、2002年欧州単一通貨ユーロまで辿りつきました。切手の額面表示もマルクからユ-ロ表示になります。移行への周知と準備で2001年から額面はマルクとユーロ表示を併記し発行されています。



2002年より ユーロ表記

 2002年1月1日よりユーロが共通通貨として流通となります。7月1日以降はマルクは廃止、ユーロ表記がある切手のみが有効になります。従ってマルク表示の切手の使用期限は2002年6月30日迄です。

ユーロ導入に伴ない額面調整などで2001年から2003年にかけて名所シリーズの新切手が発行が続き、その数は1988年から2000年に発行された数に迫るものでした。しかし女性シリーズは4種のみです。




 名所シリーズ 横ペア・切手帳・セルフのり

ドイツの普通切手は凹版の中型切手と凸版コイルの小型切手の二つのシリーズが並行して発行されて来ています。女性シリーズ、名所シリーズもこの基本路線に沿っていますから、凹版中型にはバラエティはないものの凸版小型にはドイツ図案で切手帳、セルフのり、縦ペア、横ペアなどの収集を楽しめます。


切手帳単片 セルフのり

 基本的にはコイルと言っても4辺凡てに目打ちがあります。切手帳からの単片では上下に目打ちがなく、セルフのりは4辺目打つがありません。セルフのりの切手帳は1991年に10pf、60pf、80pf、100pfを綴ったものが1回発行されていますが今のところこれだけのようです。


コイル基本 切手帳単片 セルフのり





切手帳

  




横ペア


 名所シリーズは縦に連続印刷された4方目打ちのあるコイル形式で販売されます。収集家のために100面シートも少量郵趣窓口から販売されますが、入手ソース限られるのと、手紙に使うの収集家以外は少ないので使用済みを集めるのは大変です。単片に切り離すと目打ちが同じですから区別がつきません。ペアかコーナー付きで集めるのが必要です。最近では10面シートになったせいか以前ほど希少性がなくなったのでしょうかキロウエア(紙付き)からも見つかるようです。







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