ベルリンの歩き方(1)


はじめに

本屋に並ぶ海外旅行のガイドブックでベルリンを見るとエキサイティングな町という記 載がよくみられる。私は統一直後に訪れて以来、とりこになってしまい何回か訪れたが、 まさに、これら記載通りである。たとえば東京の町を見ても1〜2年で変わったなとは、 感じないが、ベルリンの場合には、行くたびに違っていると言える。そこで、ベルリンの歩き方について、ガイドブックに載っていない部分を、何回かに分けてご紹介する。特に、郵趣家向けの記載は皆無であり、知りうる情報をお伝えする。

第1回 ベルリンの交通

日本からベルリンへは、直行便がないため、必ず経由便となる。モスクワ経由の場合はシェーネフェルト空港、また、アムステルダム経由など一部テンペルホーフ空港に着くこともあるが、基本的にはテーゲル空港に着陸する。私はテーゲル空港しか利用したことがないため、ここのみの紹介とする。 ドイツの首都、350万人の大都市というイメージとはほど遠くフランクフルト以外の 都市からの経由便では非常に小型の機材が使われる。場合によってはプロペラ機のことも ある。ただ、そうはいっても首都としての機能が定着するとともに、便数が増えてきたため、従来からの施設では手狭になり、最近では、ターミナルに横付けできず、バスに乗せ られることがある。現在、シェーネフェルト空港を拡張し代表的な表玄関にする計画があ るが、まだ、用地取得に時間がかかり当分は今のままのようである。
さて、テーゲル空港に到着し預けたバックを受け取った後、ホールに出る。空港ビルは以前普通切手でも図案となったことがあるように六角形をしているので、この際、右に進んでも左に進んでも、ただ歩き続けると元の場所に戻ってきてしまう。そのため、バスタ ーミナルの表示に向かって進む。バスターミナルへの出口のあたりに、インフォーメーシ ョンやBVG(ベルリン市交通局とでもいうべき組織)やドイツポストの営業所、シェンゲ条約国(イギリス以外のEU諸国やノルウェーなどは出入国のパスポートチェックを廃止している)以外のスイスなどへの出国時に重要な税金還付のための事務所(Zollamt)な どが固まっている。ただし、ルフトハンザのフランクフルト経由以外の便の場合には、だ いたい午後7時以降の到着となるので、夏場以外は、インフォメーション以外はみな閉ま っていると考えた方がよい。
さて、バスターミナルに出ると、お金のある人は、タクシー がたくさん並んでいるので、自由にホテルに行くことができる。お金のない人は、バスで 中心部に行くことになる。

おすすめ情報(その1)

「自分のホテルが市内のどのあたりか、事前にチェックしておく。」空港近くや、Zoo駅近くのホテルの場合には、お金のない人もタクシーを使用した方がよいかもしれない。それ以外の人は、とりあえずバスでZoo駅まで行き、降りた場所の目の前にあるタクシー乗り場から、目的地に向かうことをおすすめしたい。普通はそう何日間も現地に滞在することはないと思われるので、最初の1日目から、積極的にドイツの雰囲気にふれた方がよい。空港からのバスに乗るだけで、乗り降りするドイツ人たちの生活に触れることができ、こういった体験を無駄にするべきではないと思う。

おすすめ情報(その2)

「ベルリンウェルカムカードを買う。」出口から出てすぐ右側にあるBVGの切符販売窓口で、切符を買う。何日間か滞在するのであれば、ベルリンウェルカムカードがおすすめである。ポツダムを含むベルリンのすべてが使用開始後72時間有効である。その際、中小の博物館等の割引券の冊子をくれる。 ポツダムに行かないのであればベルリンシティカードを買う。また、夜の到着なので1日 券を買うのはもったいないと思ってしまうが、翌日ホテルから町にくり出す際に、バスを利用する場合には、あらかじめ買っておいた方がよい。ベルリンでは基本的に(例外は後で述べる)買っただけでは有効ではないからである。さて、とにかく、ホテルまでの切符を買う。係員には「ZoneAB(ツオーネアーベー)」という。これで発券された切符であれば、2時間の間まごついても市内のバス、S-Bahn,U-Bahn、市電が自由に乗れる。

おすすめ情報(その3)

 「ベルリンの地図帳を買う。」また、できればベルリンの地図帳も買いたい。絶対的なおすすめは、BVGが出している「BerlinAtrasundMehr」である。A4版よりやや大きく厚さ1cmあり、持ち歩きに難儀するが、翌日からの郵便局巡りや観光の際に、道に迷わないよ うに、また、地図上に市内交通路線が落とし込まれているので、短時間で目的地に行くに はどの路線がよいか見つけることができる。また、安いのもうれしい。このサイズで9ユ ーロである。乗り場だが、Zoo駅に行くのであれば出口を出てやや左まっすぐに進み、109番かX9という急行バスを利用する。前にも述べてように、たいていは夜の到着となりバスの本数も減っているので、急行を待つことなく、来ているバスに乗る。フリードリッヒシュトラッセ駅、ブランデンブルク門、アレキサンダープラッツ駅にいく場合は出口を出て右側のTXLという急行バスがある。これらの場所のすぐ近くにホテルがある場合意外は、この急行バスは利用しにくい。なぜなら、Zoo駅のようにすぐにタクシーに乗り換えるこ とが困難なためである。なんといっても、旧西ベルリンの玄関駅であったZoo駅は便利 である。なお、この乗り場にも市内交通の自動販売機があり、また、買おうと思えばバスに乗車する際に運転手から買うこともできる。その際も「ZoneAB」という。

▽ご注意:切符の印字は消える。我々郵趣家の中にはこの切符をとっておきたいというコレクター魂の衝動にかられると思われるが、運転手から発券してもらう切符 とS-Bahnのホームにある販売機の場合、感熱紙のため、時間とともに印字が消えてな くなってしまう。それ以外のU-Bahn,バス停、市電内の販売機やBVG営業所、S-Bahn切符販売窓口、DB(ドイツ鉄道)近距離切符窓口で発券された切符は、インク印刷のため十分保存できる。

▽ご注意:不正乗車は厳罰。 もうひとつ注意したいのは、市電車内の販売機で買うと即有効として印字されてしまう ので、事前購入として買ってはならない。それ以外は翌日使用のための事前購入可能であ る。というより基本的に切符はENTWERTERと表示された機械に突っ込んで刻印、 つまり使用開始時間を打ち込まないと有効とならない。これは、バスの運転手席後方や、電車であればホームに設置されている。電車では頻繁にチェックしに来るが、有効な切符 を持っていないと犯罪者扱いされ、罰金を取られる。言い訳をすると引き摺り下ろされ、 警察に連れて行くそと脅かされる。なお、このチェックは日本のような甘いものではない。 ひとつの車両の全ての扉から2人組の係員が乗り込んできていっせいに調べ始めるので逃 げることはできない。また、ホームではキスをするなどラブラブの若い男女が乗り込み、扉が閉まると同時に突然身分証明書を見せながらチェックを始めたのには驚くとともに、 ずいぶんと手の込んだことをしてくれると感心してしまった。 使用開始時間については、都市によって違いフランクフルト中央駅の自動販売機で買っ たときには即有効の切符が出てきた。したがって他都市のことについてはまったくわから ない。さて、最も多く乗る可能性のあるのは、109番のバスで、乗ったら進行方向右側に座ろう。右側走行なので、終点までの間、道行く市民の姿を見ることができる。S-Bahnのシャルロッテンブルク駅ガード下を過ぎると間もなくクーダムをとおり終点Zoo駅に到着である。私はいつもアレキサンダープラッツ駅前にそびえ立つ高層ホテルを安宿の常宿としているので、バス下車後S-Bahnに乗り換えている。

▽ご注意:鉄道も右側通行。 ドイツでは鉄道も右側通行なので間違えて反対方向に乗らないように注意が必要である。 フランスのように国鉄と地下鉄などで進行方向が違うのに比べれば、ドイツでは、全て日 本の逆と頭に刻みつければよい。 (S.K.)
次回は、郵便局巡りをご紹介する。

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