5年前に第1回として、ベルリンテーゲル空港到着からZoo駅まで紹介をし、市内を歩くにあたっての基本的情報をお伝えした。
第2回目からは本格的な郵便局巡りを始める。ベルリンでは、郵趣窓口のある12郵便局が有名だが、初日は東駅(OstBahnhof)内の17郵便局に向かうこととしたい。Zoo駅からは、S-Bahnで行くかRegionalExpress(RE)で行くか、東京で言えば品川駅から東京駅まで山手線で行くか東海道線で行くかの違いであるが、REはICEと同じ線路を走っているため、頻が込み合っていてノロノロ運転で、所要時間は余り変わらないように思う。おもしろいと思ったのは、構内放送、車内放送があることである。よく、日本では「外国の鉄道では日本みたいな車内放送は無い。「うるさいし、いちいち次の駅は…なんてやめるべきだ」などとしたり顔で言う人がいるが、こういう人はベルリンを知らない人である。そもそも、こういう考えは視覚障害の人たちのことを考えていない。S-Bahnは「次の停車駅は…」と放送する。また、REでは、FrankfurtOderからベルリンに戻ったときには、東駅到着のかなり前から、接続する特急を方面別にその発車時間、ホームの番線などを知らせていて、日本の長距離列車と全く変わらないと感じた。ホームでは、教会の鐘のような音が1度鳴
り「注意、注意、列車が通過します」と言う放送もある。フランクフルトやミュンヘンで
は聞いたことがないように思うが、なぜベルリンはこういった放送があるのか、知ってい
る人がいたら是非教えて欲しい。
さて、東駅に到着したら、進行方向に向かって右側に出て、ホールに出たらZoo駅寄りの方向に歩いていこう。端の方の左側に東駅内郵便局がある。なお、現在ドイツポストではPostamtという言葉は使わずFiliale(営
業所)と呼んでいる。日本で言えば旧電電公社時代電話局と呼んでいたものが、現在では
NTT営業所と呼んでいるのと同じである。日本でもいずれ郵便局と言う言葉が死語にな
るのだろうか?この中では日本の実状にあわせ郵便局と呼ぶことにしたい。
この郵便局は、日本でよく紹介されるドイツポストのコンビニ風の局ではない。もちろん文房具は各種売っているが、食べ物や雑誌はない。記念切手は、12郵便局に比べると格段に品揃えが少ないが、何でも良ければすいているのですぐ買えるし、実逓便の発送も待ち時間が少なくてすむ。私はここでパスポートのパスケースを買った。局に入って左側の壁に見本が飾ってあるが、エビ色で表面にBundesrepublikDeutschlandと表記され鷲のマークも入っている。日本で買うパスケースはやや小さめでパスコントロールでケースからはずすのに面倒になるが、ドイツのケースは逆にやや大きめのためダブダブとなってしまうのが難点である。小さい子へのおみやげに喜ばれそうな小さいぬいぐるみやおもちゃがたくさんあるのも、12郵便局との違いである。
この局が重要なのは、365日営業していることである。日程の都合で土日しか動き回れない場合には、是非この局に立ち寄りたい。私は、過去にユーロ導入の際に、DM表示切手最終日の6月30日が土曜日だったため、実逓の最終印の依頼を、この17郵便局とフランクフルト空港内の郵便局への郵頼と集友を通して特別会場を設置した地方局を利用した。一つに集中すると失敗した時のダメージが大きいので、4カ所程度に分散し、結局は全てうまくいった。1990年の再統一の際にDDRやベルリンの切手の混貼りや、最終日印が発生したが、その12年後にユーロ導入があり、今後も何があるかわからない。開始日、最終日が土日祝日の可能性が大であり、今後もこの局は要チェックである。なお、この郵便局に郵頼する際は、Berlinl7郵便局で郵便番号は、D-10243である。
次にフリードリッヒシュトラッセ駅前のベルリン64郵便局(郵便番号[ト10117)に向かう。
東駅からZoo駅方面に戻って、その名の通り、フリードリッヒシュトラッセ駅で下車し一番東駅方向にある出口を出ると、路面電車の走る通りの向かいにある。
この郵便局には、間違っても郵便目的で行ってはいけない。というのは、この局は、12郵便局とも17郵便局とも違い、日本のテレビでよく紹介されるコンビニ風の郵便局なのである。雑誌、新聞、お菓子、飲み物、雑貨等日本のコンビニの品揃えに比べれば遙かに少ないが、一見するととても郵便局には見えない。そういったこともありひっきりなしにたくさんの客が来るが、カウンターの従業員は少なく、いつも長蛇の列がある。一応、郵便の窓口とその他商品の窓口がやや離れて分けられているが、混んでくるとその他の窓口でも書留など郵便の受付もする。雑誌や、飲み物を購入した人の後で自分の郵便物を窓口に出すのは、何か不思議な感じがするものである。良くも悪くも民営化した後の郵便局の見本であり、12郵便局や17郵便局とは全くタイプが違い、是非訪れる価値はあると思う。滞在時間が限られている我々は、見物がてら訪れるのはいいが、郵便の目的で行くと大変な時間のロスになる。
(S.K.)
次回は、ベルリン12郵便局をご紹介する