ベルリンの歩き方(4)


第4回 ATM切手販売機

ベルリン12郵便局で記念切手を買った りカバーづくりをしたが、わたしは、ATM切手も収集しているのでこの点についても一言付け加えたい。既述のように、ATM自動販売機は局の表に1台あるが中にも1台設置されている。日本ではATM切手は廃止されてしまい、メータースタンプも昔は大きな局では自分で欲しい額面をテンキーで打ち込んで買えたが、現在、窓口外にある郵便事業会社の自動販売機では国内、海外向けで設定されている額面しか発行されない。また、郵便局会社や時間外の郵便事業会社の窓口で発行されるものは、持ち帰り不可で実際に窓口から発送する際の料金或いは不足分の額面しか発行されない。

しかし、ドイツのATM販売機では、客がテンキー打ち込みで好きな額面のATM切手を購入できる。わたしのように0.01刻みであらゆる額面を集めようという物好きな人間にとってはうれしい限りである。ただし問題は現行のATM切手はBrandenburgとBomの2つの図柄があることである。販売機ごとに図案が違うのかとも思っていたが、どうやら交互に出てくるようである。であれば、欲しい図柄にあわせて交互に必要な金額を打ち込んで買えばよいのであるが、細かい金額の額面を買う とおつりは端数額面のATM切手で返ってくるので事は簡単ではない。これら端数額面の切手も2つの図柄が交互に出てくるのである。さらに、そのおつりとなる端数額面は0.Olだけとは限らず、0,05などが混ざることがあったり、1aRO硬貨を投入して低額面を買うと0.55のようによく使われる額面も混ざってくる。したがって、次にどちらの額面が出てくるか非常にわかりにくいのである。もっとも、客のいない販売機であれば、ゆっくり時間をかけて出た枚数から次の図案を判断して買えばよいのであるが、私の場合には面倒であったので、欲しい額面は図柄が外れでも構わない覚悟で、次々に操作ボタンを押して購入した。外れやおつりの低額面切手は記念切手とともに貼り付けてサーキットカバーに使ったり、12郵便局の風景印を実逓便にして自宅に送った。それでも私が機械の前に立った時にはだれも並んでいなかったのに、ATM販売機が2台あるにもかかわらず、10数枚購入した後には、私の後ろに列ができてしまった。私はこの後、外の販売機に移って買ったが帰ろうとした時に、通りがかったドイツ人から、どこの国から来たのか? コレクターか? などとたずねられ、切手交換を持ちかけられた。日本で切手の販売機で買っている外国人に切手交換を持ちかける日本人がいるだろうか? などと不審に思いながらも一応名刺をもらい帰国した。鳥の未使用を集めていると言うことだったので、帰国後だまされたと思って、何枚かを送り、ATM使用済のWantlistを送った。驚いたことに、2週間ほどして、台紙にきれいに貼り付け満月に押印した切手が届いた。住所を調べてみると前回紹介したCharlottenburg宮殿の近くで川縁のきれいな場所である。満月印だと同じ局で押印してもらうと、アルバムに貼った時におなじ郵便番号のものが並んでしまうため、その都度別の局で押印してもらってくれとわがままを伝えたところ、市内には100の局があるとのことで、出来るだけ別のところに足を運んでくれるとの返事で、その後も現在に至るまで交換は続いている。旅の楽しさはこういうところにもある。

ドイツのATM切手は、過去の例からすると、図案変更直後が狙い目である。黄色いポスホルンの図案のものは、移行直後は前の図案同様にDBPの文字の後に額面が印刷されていた@。しかしすぐに、その部分は、ポストホルンのマークに変わってしまったA。やがて2002年1,月1日午前0時をもってユーロ導入になるとそのマークの部分がCのマークになったB。しかし、この後すぐに図案が郵便箱に変更になったC。したがって、黄色いポストホルンの図案であっても、額面左のマークが黒いポストホルンのマークのものはありふれているが、DBPのものやcのマークのものは数が非常に少ない。また、EURO単独表示の普通切手、記念切手ともに1月1日にはまだ発行されていなかったため、ユーロ導入にともなう、DM,DM/EURO,EURO表示の三種混貼りの初日カバーはこのATM切手を貼り付けたものしかあり得ない。また、現行のBrandenburg,1弛nnの新図案の切手かは額面の印刷部位が中段から下段に変更になっているD。その切り替えの際に販売機の調整をやり損なった地区があり、新図案初期には新図案で額面が中段に印刷されてしまったものEや、旧図案で額面が下段に印刷されてしまったものFが存在する。私も数枚持っているが、ドイツではかなりの高額で取引されているようである。今後ドイツに行くときはATM切手の図案切り替え直後にしたいと思っている。その時に仕事を空けられるかどうかはわからないし、自分の行った場所で上手い具合に移行期のレアものが入手できるかどうか わからないが。  (S.K.)

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