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ドイツ切手入門




ドイツの切手の概観

ドイツ歴史地図1871-1918


ドイツの近現代史とそれにリンクしたドイツ切手の流れを概観してみましょう。

プロイセンを母体にした「ドイツ帝国」が誕生したのが1871年、今からわずか130年 余り前のことです。ブランデンブルグから引き継いだ「鷲」を国章とし、鉄血宰相ビスマルクの下でレイト・カマーの大国の土台を築いていきました。 ドイツ帝国で最初に発行された切手は 切手の中央に「鷲」をエンボスにして浮き出させた鷲シリーズで、新興帝国の威信をかけたシリーズです。

 さて、世紀末から20世紀初頭にかけて、ドイツでは産業の発展に伴い国力も強大になり、次なる野望は海外覇権の道でした。郵趣の上ではバラエテイに富んだ収集対象シリーズがこの時期に登場します。
 まず国内で1900年から始まる「ゲルマニア」シリーズで、女神を模したこの切手は発行期間の長さと種類の多さ、広域にわたる使用地域と消印のバラエテイが多く存在しますし、一方世紀末からの海外進出に伴い現地に開設された中国、モロッコ、トルコの在外ドイツ局での郵便物、更に新たに獲得したドイツ領ニューギニア、東アフリカ、南西アフリカ、中国膠州湾などの植民地での郵便です。(在外局切手 植民地シリーズ

ドイツ歴史地図1918-33

第一次大戦の敗北により「ドイツ帝国」は消滅し、代わってワイマール共和国が成立しました。ヴェルサイユ条約の下、戦勝国の過酷な賠償により経済は疲弊し、1920年からインフレ期を迎えます。1923年には遂に超インフレに見舞われ、市民生活も壊滅状態に陥ります。
それに関連する多くのインフレ切手やカバー類が出現し、インフレのものすごさを伝えています。

大きな負の遺産を残したワイマール共和国時代ではありましたが、前体制の呪縛から人間の精神の解放をもたらし、それにより芸術、科学、文化が大きく花開き、歴史に名を残す人々を多く輩出しました。 「黄金の20年代」と呼ばれる所以です。この時代を象徴する郵趣品としては、「ツェッペリン飛行船」で運ばれた多くのカバー類がひときわ目立ちます。  

さて、インフレ期を乗り切ったドイツには国粋主義が台頭し、ヒットラーを党首とするナチ政権が1933年に誕生します。ヒットラーは国内的には民族の浄化と生存圏の拡大を旗印に、巧みなプロバガンダを駆使して国民を鼓舞し、一方対外的には力を背景にした外交を展開して次々と他国を侵略、占領して領土の拡大を図りました。

こうして引き起こされた第二次大戦も米ソの参戦により1945年ナチスドイツの敗北で幕を閉じました。 この時代、ドイツ国内では多くのプロバガンダ関連郵趣物が発行され、また総督府、ボヘミア・モラビアに始まる多くの占領地では、ナチ占領下の郵便物が出現しました。

ドイツ歴史地図1945-90

敗戦後のドイツは戦勝国によって解体され、米英仏占領地区(後のドイツ連邦共和国)、ベルリン、ソ連占領地区(後のドイツ民主共和国)に三分割されました。この混乱期に郵趣上では面白い収集対象が幾つか現われます。代表的なものとして、特にソ連占領地区の諸都市で発行された地方切手、AM-POST、建物切手、仏占領地区切手などがあります。 1949年それぞれの占領地区はドイツ連邦共和国(西ドイツ)、ドイツ民主共和国(東ドイツ)、ベルリンになり、それぞれ独立した郵政が郵趣品の発行を行います。

1989年11月の「ベルリンの壁崩壊」の エネルギーは1990年10月のドイツ再統一をもたらし、その波は更に大きなうねりになって世界の社会主義国の崩壊をもたらしました。このドイツ再統一期には東ドイツ消滅に関わるマテリアルや混貼リカバーなど再統一に関する郵趣品類が出現します。 (き)

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