第1回 | ヒンデンブルク切手とは |
第2回 | ヒンデンブルク切手の年表 |
第3回 | ヒンデンブルクとはどういう男 |
第4回 | ヒンデンブルク切手登場 |
第5回 | メダル型シリーズ (1) |
第6回 | メダル型シリーズ(2) |
第7回 | メダル型シリーズ 鉤十字透 |
第8回 | メダル型シリーズ 鉤十字透 続き |
第9回 | メダル型シリーズ 鉤十字透 続きの続き |
第10回 | 占領地消印について |
第11回 | オステン加刷 |
第12回 | エルザス・ロートリンゲン加刷 |
第13回 | ルクセンブルク加刷・他 |
前回に引き続いてメダル型シリーズ(網透)についてーーー。 初めにこの透かしのの名称である。ミッヘルでは1921年末頃から使われたこの透かしをWAFELN透としている。このWAFELNを字引で探すと、料理用語 ウェーファー・ワッフルと書かれている。これではサッパリわからない。カタログ付録の独英対訳表で英語でMESH(網・籠)とあってこの方がわかりやすいので網透と表現した。後で考えれば確かにワッフルという菓子は我々の身辺にもあり、そういえば何となくワッフル透でも分かるような気がするのだが… ミッヘルの専門版にはNo473及び495の後に何やら註釈がついている。筆者の貧しいドイツ語の知識ではよくわからないのだが頭をひねって以下のように判読した。ドイツ語に強い会員諸賢の解釈はどうであろうか。 @12pf(改色版とも)に透かしの不明瞭なもの、或は歪んだものがあるがこれは製造期間の後期に生じた機械(抄紙機ということになろうか)の故障によるものである。 Aヒンデンブルクメダルタイプ切手は使用停止の処置がとられず、1945年5月のナチス崩壊まで使用出来たし、一部に同年夏頃までいろいろの形で黒く塗り潰されたものが数少ないながら使われた。(専門版ソ連占領地区ザクセンの項にも記載されている) 私見であるがAに該当するものは殆どが後期の鉤十字透のもので、網透は使用期限が告知されなかったから存在の可能性はあるが極めて少ないと考えるべきであろう。 B前号に述べたOpenDと同じような印刷ミスが8pfにみられるが、それは偶発的なもので版欠点ではないことが明らかにされている。 「註」No473及び495の切手はそれぞれ1932年発行、1933年発行の12pfである。氏の参照のミッヘル番号は2001年度版ではNo469、487と示されている。註釈は同様な内容。 次に切手帳について。 網透切手については5f、6f、8f、12fの4種を組み合わせた切手帳が1933年に発行されている。切手帳用シートも発行されている。普及版カタログにあるように極めて高価である。(切手帳は950マルクである) コイルで発行されたものは、1932年発行のうち、4f、5f、12f、25f、1933年発行のもののうち3f、4f、6f、8f、10f、12f、20f、30f、40f、50fの14種ということになっているが、前に述べたように単片での判別は困難であり、11枚ストリップということになると14種合計1982年版の評価は何と25280マルク(250万円)である。 切手の両側の目打ちにケバがなく、スカッと断裁されているものはコイルではないか(フランス切手の場合はこうしてコイルを探し出すといわれる)という説もある。丹念な方の発奮を期待してご紹介する。 |