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ヒンデンブルク切手メモランダム


<第八回>



 第1回  ヒンデンブルク切手とは
 第2回  ヒンデンブルク切手の年表
 第3回  ヒンデンブルクとはどういう男
 第4回  ヒンデンブルク切手登場
 第5回  メダル型シリーズ (1)
 第6回  メダル型シリーズ(2)
 第7回  メダル型シリーズ 鉤十字透
 第8回  メダル型シリーズ 鉤十字透 続き
 第9回  メダル型シリーズ 鉤十字透 続きの続き
 第10回  占領地消印について
 第11回  オステン加刷
 第12回  エルザス・ロートリンゲン加刷
 第13回  ルクセンブルク加刷・他

前回にひきつづいてメダル型シリーズ(鉤十字透)について

コイル切手として3pf、4pf、5pf、6pf、8pf、10pf、12pf、15pf、20pf、25pf、30pf、40pfの12種が発行されている。

勿論、目打は四方ともあるから単片での区別はつきにくい。ところが、1934年に4pfと6pfあわせて10pfの連刷コイルが発行されているので、これはコイルであることがわかる。このコイルは500枚(250組)1巻、5枚のリードペーパーがついているとミッヘルに書かれているが小生実物はお目にかかったことがない。

Einheitgeberbogen 日本語に訳しにくいのだが要するに自動販売機用ペーン。1939年から41年にかけて3回発行している。これについては能見さんからかってご教示を頂いたので少々長いが引用させて頂くとこういうことになる。

「窓口が開いている時間以外においても一定の額面が買えるように、通常は郵便局の前に自動販売機がおかれていた。それに10pfコインを入れると封筒に入った絵葉書2枚と5枚ストリップの切手が出てくる。絵葉書はその自動販売機の設置している地方の企業が宣伝用に入れる葉書であり、切手は1pf+5pf+標語入りタブ+3pf+1pf(後に5pf+1pf+標語入りタブ+1pf+3pf)からなる。この5枚ストリップをEinheitgeberstreifen という。これはコイルと異なりシートを切ってわざわざ作ったものである。このもととなるシートをEinheitgeberbogen といい、ベルリンの郵趣窓口で1シート2ライヒマルクで売っている。
シート構成は横10枚群が1pf+5pf+標語入りタブ+3pf+1pfの5枚ストリップともう1組のストリップが逆に並んだ状態で、10段同じである。




切手帳用のシートは後でとじるため常に左側に耳紙がくる必要があり、そのためにテートベッシュにする必要がなかったと言われている。
切手帳は1934年から40年にかけて14回発行されている。切手帳と表紙の右下に番号が打ってあり、2から15までの番号があたえられている。
(1番は網透の切手帳である)ただし、No3は表紙裏の広告が2種あるので合計すれば15種ということになろうか。但し表紙の番号がちがってもペーンの構成が同一のものもあることはミッヘル専門版にあるとおりである。

先の能見さんの文章にもあるとおり、ドイツでは切手帳シートも売り出された。その結果はミッヘルカタログが詳細に掲載している連刷組み合わせの出現となり蒐集家を泣かせる結果と相成った。小生も泣き泣きこの連刷のペア、3枚ストリップ、カバーを追いかけている一人である。

以下この切手に現れた標語の訳文をお目にかける。符号はカタログ記載のタブの番号である。

A5 Spendet für die Opfer der Arbeit
 労働災害犠牲者に寄付を

A8 Unterstützt die U.S.Volkswahlfahrt!
 公共福祉施設に援助を

A9 Alle für Deutschland
 ドイツのためのすべてを

A10 Deutschland, ein Hort des Friedens!
 ドイツこそ自由の守り

A12 Verwendet WHW Postwertzeichen!
 冬季慈善切手を使おう

A13 Spare bei die Postsparkasse!
 郵便貯金で貯蓄を

A14 Glückwünsche durch Schmckblatttelegramme!
 祝賀電報で祝詞を

A15 Tretet in der N.S.V. ein!
 N.S.V.に加入を

A16 Werde Postscheckteilnehmer!
 郵便小切手の加入者へ

A17 Unterstützt das Deutche Rote Kreuz!
 ドイツ赤十字を支援せよ

標語入りタブ、切手帳から取った連刷などのマテリアルを紹介する

 


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